白居易と福島 [つれづれ]

中国の詩人、白居易(白楽天)にこんな詩があります。
農家もこの炭売翁と変わらぬというと怒られるでしょうか。けれど、うちの社長と奥さんの昭和からの歩みを聞いていると、なんにも変りはしません。まだ、有機という呼び方さえない時代、トラックいっぱいの無農薬白菜が300円で買い取られた話と、何が違うというのだろうか。

賣炭翁    


賣炭翁,伐薪燒炭南山中。

滿面塵灰煙火色、兩鬢蒼蒼十指黑。

賣炭得錢何所營、身上衣裳口中食。

可憐身上衣正單、心憂炭賤願天寒。

夜來城外一尺雪、曉駕炭車輾氷轍。

牛困人飢日已高、市南門外泥中歇。

翩翩兩騎來是誰、黄衣使者白衫兒。

手把文書口稱敕、迴車叱牛牽向北。

一車炭重千餘斤、宮使驅將惜不得。

半匹紅紗一丈綾、繋向牛頭充炭直。


炭を売っている老人、薪を伐採して炭を焼くのは終南山。
顔中が塵と灰と煙焼けしている、左右の分けた髪は白髪混じりで、指は10本全部真っ黒。
を売って、小銭(こぜに)を稼いで、どんな営みをしよういうのだ、(「所營」は)身に纏う衣服と、口に入れる食べ物(である)。
かわいそうに、身に着けている上着は、ひとえきりである。心の中で心配しているは、炭の値段の廉(やす)いことであって、(需要が伸びて、価格が騰がるように)天候が寒くなることを願っている。
(願いどおりに)昨夜から長安城の外は、一尺の雪が降り積もり。朝方に、炭を積んだ車に乗りこんで馬を御して、(路面の)凍った車の轍(わだち)の跡をひきつぶし(ながやってきた)。
牛は疲れて、人は腹が減って、日はとっくに高く昇っている。
市の南門の外側の泥濘の中で、憩っているとひるがえり飛ぶように二騎がやって来たのは、誰あろう。
黄衣の宦官(である宮市の)使者と、白い普段着の青年(である)。手には文書を取り持って、口では「天子の命令である」と称している。
(炭を積んだ)車の向きを変えさせて、牛を追い立てて、北の方(の宮市の方)へ引っ張っていった。一車の炭の重さは、六百kg以上ある。
宮使いは(牛の荷車を)駆り立てて持っていっても(売炭翁は売り)惜しむことはできない。
半匹(二丈6.22メートル)のくれないのうすぎぬに、一丈3.11メートルのあやぎぬ(を)。牛の頭に巻き付けて、木炭の値(あたい)に充てた。

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